2013年11月8日に、栄ガスビル(名古屋市中区)にて、平成25年度第4回スキルアップセミナーを開催致しました。スキルアップセミナーは、ASIF会員の若手技術者スキルアップを目的として、幅広い技術を習得して頂くためのセミナーです。
本セミナーでは、専門家によるレアアースレスモータの解説と、シミュレーションを用いた、モータ制御回路、制御ソフトウェア開発環境の研究事例をご紹介頂きました。セミナーへの参加者は、56名(非会員8名を含む)でした。
現在主流の永久磁石同期モータから、省・脱レアアースモータの1つである巻線界磁形フラックススイッチングモータに移行する際の課題として、モータ制御ハードウェアとモータ制御ソフトウェアを新規に開発する必要があることを指摘されました。
この背景を踏まえ、経済産業省中部経済産業局の平成23年度戦略的基盤技術高度化支援事業「レアアースレスモータ制御のためのソフトウェア実装研究」(2012年3月〜2013年1月に実施)において、名古屋工業大学と共同で開発した、仮想化技術(シミュレータ)によるモータ制御ソフトウェア開発環境について紹介して頂きました。
FPGAと模擬モータ基板を使用して、モータの実機を使用せずに制御ソフトウェアの開発を進める開発プロセスや、モータの各制御周期におけるFPGAの内部状態を取得するツールなどの研究成果を紹介して頂きました。
車載用モータの現在の主流である永久磁石形同期モータの特徴を整理した上で、HEV用モータに求められる高耐熱性を実現するには高保磁力磁石を使用する必要があることを解説した上で、高保磁力磁石の製造に必要なネオジムやディスプロシウムの供給元が限定されてしまう事実をレアアース問題の本質であると指摘されました。
この問題を解決するため、現在研究開発を進めている省・脱レアアースモータについて、世界の開発動向を踏まえて、レアアースレスモータの種類、仕様、性能、特徴を分かりやすく解説して頂きました。