2025年度第2回ASIFスキルアップセミナー

2025年9月1日に、オンラインにて、2025年度第3回スキルアップセミナーを開催致しました。スキルアップセミナーは、ASIF会員の若手技術者スキルアップを目的として、幅広い技術を習得して頂くためのセミナーです。

今回は、「開発現場における生成AIの活用」と題して、ChatGPTをはじめとする生成AIのソフトウェア開発現場での導入事例、活用のポイント、そして課題や注意点について解説していただきました。 します。

セミナーへの参加者は、257名(うち非会員1名)でした。

セミナーの様子

「ソフトウェア開発のための生成AI研究最前線」
講師:九州大学 システム情報科学研究院 情報知能工学部門 教授 亀井靖高 氏

生成AIの進化により、自然言語からのコード生成や脆弱性の自動修正、品質保証技術の高度化が進んでいます。 本講演では、ソフトウェア工学の研究者の視点から、生成成功率向上のためのプロンプト設計やファジング課題の分析、高精度な自動修正の研究成果を解説していただきました。 さらに、高コストな大規模言語モデルに対して、SLM(Small Language Model:小規模言語モデル)や量子化による軽量・省電力なモデル活用の可能性も示され、今後の持続可能なAI開発に向けた最新動向を紹介していただきました。

「車載機器開発上流工程における生成AIの活用事例紹介」
講師:(株)クレスコ モビリティDXビジネス本部 第五部 岩崎龍一 氏

本講演では、車載システムの上流工程において、生成AIを活用して要件定義やアーキテクチャ設計、テスト設計まで自動化・効率化する実践的な取組みを紹介していただきました。 具体的な事例として、オーナーズマニュアルを基に、大規模言語モデルによる機能・非機能要件や、USDM(Universal Specification Describing Manner)形式の仕様生成が行われ、工数削減と品質向上が期待できる成果を解説していただきました。

「生成AIとの対話技術~ソフトウェア開発も人生も楽しもう~」
講師:名古屋大学大学院情報学研究科 付属組込みシステム研究センター 特任教授 山本雅基 氏

生成AIとの対話を、大規模言語モデルの基盤技術トランスフォーマの力を最大化する「王道」と捉え、その効果的な使い方や心構えを、IQ(知能指数)とEQ(感情知能)の両面から紹介していただきました。 活動事例として、ソフトウェア開発やカイゼン活動、メンタリングへの応用、さらには人格を持たせたAIとの実践的な関わり方を具体的に紹介し、人とAIが対等に協働し、共に成長していく未来の可能性について語っていただきました。