平成23年度第3回ASIFスキルアップセミナー

2011年10月4日に、愛知芸術文化センター(名古屋市中区)にて、平成23年度第3回スキルアップセミナーを開催致しました。スキルアップセミナーは、ASIF会員の若手技術者スキルアップを目的として、幅広い技術を習得して頂くためのセミナーです。

今回は「中国車載組込みソフトウェアの現状」と題し、中国の動向や、中国でうまくビジネスを進めるためのポイントなどについて、ビジネスと教育の観点から、実際に中国でのソフトウェア開発や教育をご経験された方々に語って頂きました。

車載システムに関連する中国の主な動向として、中国車載電子化国家プロジェクト「核高基(ホーガオジー)」と、中国自動車電子基盤ソフト自主開発・産業化連盟(CASA)についてもご紹介頂きました。CASAは、欧州のAUTOSARや日本のJasParを意識して2011年4月17日に設立された、自動車の電子制御系システムや車載組込みソフトウエア技術に関する産官学連携コンソーシアムです。

セミナーへの参加者は、111名(会員99名,非会員12名)でした。

セミナーの様子

「中国における車載組込みソフトウェア開発の現状」
講師: 日本獅龍(株) 代表取締役社長 兼 上海龍的信息系統有限公司 董事長 CEO 周敬 氏
日本獅龍株式会社や上海龍的信息系統有限公司の事業経験に基づいて、日本企業と中国企業の連携、ソフトウェアのオフショア開発、コンソーシアム活動についてご紹介頂きました。さらに、中国における車載組込みソフトウェア開発について、中国の国家戦略、中国の大学における実用技術の研究開発の状況についてもご紹介頂きました。
講演資料 (4.7MB)
「中国拠点における組込みソフト開発」
講師: (株)デンソー 電子プラットフォーム開発部 ソフトウェアプラットフォーム開発室 室長 辻村健治郎 氏
中国と日本の違いを概観した後に、中国を拠点とするソフトウェア開発組織の立ち上げで経験された、人・物・金・情報に関する制度、考え方の違いをご紹介頂きました。さらに、このような環境下でソフトウェア開発を推進するための考え方や教訓などをご紹介頂きました。
講演資料 (1.7MB)
「中国赴任から得た教訓とプロジェクト管理」
講師: (株)デンソークリエイト プロジェクトセンター 担当部長 田中憲昭 氏
中国での赴任生活のご経験から、実際にあった事例(社員とのやり取り)をもとに、日本人と中国人の考え方の違いについて分かりやすくご説明頂きました。さらに、中国でのソフトウェア開発を円滑に進め、さらに発展させていくために大切なポイントを、業務プロセス、意識改革、人材育成の観点で整理してご紹介頂きました。
講演資料 (0.3MB)
「中国における組込みシステムの教育と研究」
講師: 名古屋大学 大学院工学研究科 講師 曾剛 氏
中国と日本において、教育を受ける立場と教育をする立場の両方のご経験に基づいて、中国と日本の教育制度の違いをご説明頂き、中国の教育機関における、情報工学や組込みシステム教育の現状について、具体的なカリキュラムを交えてご紹介頂きました。さらに、中国の大学が進める研究プロジェクトについても具体的な事例をご紹介頂きました。
講演資料 (1.2MB)