車載組込みシステムフォーラム 2012

2012年1月30日に、ナディアパーク3階デザインホール(名古屋市中区)にて、車載組込みシステムフォーラム2012を開催致しました。中部経済産業局の施策を紹介する中部経済産業局ブースも併設されました。

今回のフォーラムは、ASIFの1年間の活動報告に、講演と専門セミナをそれぞれ2つ加えて盛り沢山の内容になりました。参加者は、180名(うち非会員29名)でした。

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講演の様子

ASIF活動紹介「車載組込みシステム開発の現状とASIFの活動」
車載組込みシステムフォーラム 会長/
名古屋大学 大学院情報科学研究科 教授 高田広章 氏
前半は、今後重要となる組込みシステム技術トピックの中から、昨年の講演からのアップデートとして、ISO26262とAUTOSAR関連、車載組込みシステムの情報セキュリティについて紹介しました。後半は、車載組込みシステムフォーラム(ASIF)の活動内容をご紹介しました。
講演資料 (3.3MB)
専門セミナ1「SIM-Driveのオープンソース電気自動車開発」
(株)SIM-Drive インホイールモータ開発部長代理 兼 制御開発室長 新井英雄 氏
電気自動車がもつ可能性と、開発に至った経緯についてご説明頂き、SIM-Driveが進めているオープンソースの電気自動車開発についてご紹介頂きました。SIM-Driveの電気自動車の中心技術である、インホイールモータとコンポーネントビルトイン式フレーム、最新の電気自動車「SIM-LEI」について、デモ映像を沢山交えて分かりやすくご紹介頂きました。本格的な普及を目指した電気自動車開発は、聴衆の興味を強く惹きました。
講演資料 (0.9MB)
基調講演「自動車制御システム開発におけるモデル・ベース開発の状況と展望」
トヨタ自動車(株) 第2パワートレーン先行開発部 理事 大畠明 氏
最初に、一般ユーザが利用する自動車、家電、サービスロボットなどの機械製品に対する造語「消費者機械」を、産業機械との違いを中心にご説明頂きました。さらに、消費者機械の中で特に大規模化・複雑化が進んでいる自動車制御ソフトウェアを例に、制御ソフトウェアの生産性を向上させるモデル・ベース開発についてご紹介頂きました。最後に、OMG(Object Management Group)を通じた国際標準化活動についてご紹介頂きました。

講演と同じ内容を解説した記事が、SEC Journal第27号p.170-176に掲載されています。SEC Journalは、(独)情報処理推進機構のウェブサイトから無償でダウンロードできます。

専門セミナ2「機能安全規格ISO26262へのJARIの取り組み」
(財)日本自動車研究所 ITS研究部長 森田康裕 氏
ISO26262の基本的な内容についてご紹介頂いた後、JARIが取り組む、ISO26262に関する活動の中から、コンセプトフェーズ(パート3)の解説書をご紹介頂きました。さらに、国内の課題として、OEMとサプライヤが規格運用に向けた共通の課題を議論する場がないことを挙げ、解決に向け設立した「ISO26262運営委員会」の位置づけ、活動内容、他組織との連携、今後の活動スケジュールについてご紹介頂きました。
講演資料 (2.0MB)
招待講演「運転行動データの信号処理と運転支援」
名古屋大学 大学院情報科学研究科 音声・言語・行動信号処理研究室 教授 武田一哉 氏
行動を伴う現象を計測することで得られる信号を処理することで、行動に内在する様々な情報を抽出する「行動信号処理」技術を中心に、研究室で進められている研究内容をご紹介頂きました。研究事例として、ペダル操作からの運転者識別、運転時イライラ検出、運転行動の予測のためのドライバモデルをご紹介頂きました。さらに、研究プロジェクトとして、「運転行動のセンシングと理解に基づく次世代ドライブレコーダの開発」(2008〜2010年)と、「行動モデルに基づく過信の抑止」(2010〜2015年)をご紹介頂きました。
講演資料 (11.8MB)